本物の温泉療養と海外温泉
≪海外の温泉と日本の温泉≫
温泉は日本だけの物ではありません。古くから多くの国で温泉の利用は行われています。日本でも名前を知られている海外の温泉というとドイツのバーデンバーデンとかスイスのバートラガッツなどヨーロッパ系が多いですが、もちろんアジア・アメリカ・南米等にも温泉に類する施設はあります。
ただ、基本的にサウナや飲水施設、あるいは風呂というより温水プール的な感じが強く若干日本的な温泉風呂とは隔たりがあるものが多いようです。また、特に古来西欧では温泉施設は貴族の独占物だったこともあり、昔から休養する国民の為のの大衆文化として温泉文化が根付いていた日本とは、違う風情があるのは致し方ないのかもしれません。
≪温泉療養の勧め≫
かつては「病気を治さないようなら温泉ではない」と考えられていました。西欧のいくつかの国では温泉の療養効果が実際に保険診療の一つとして認められていて、この考え方が世界的にも同様のものがあるのがわかります。日本にも温泉療法を保険診療の対象にしようという動きもありましたが、日本においては、温泉文化があまりにも大衆文化として浸透しすぎていた事と、温泉文化を医療行為として考えてしまうと医療行為は医者しか出来ないという医師法との兼ね合い上、処理が難しくなるという事もあるため没になったようです。
法律的な問題はともかく、日本においても温泉に療養効果がある事実は実際に認められており、温泉法では温泉の効能の形で治療効果を明示して良いことになっています。しかしながら、これが曲者です。温泉のそばに書いてある成分・効能表示は、その温泉の“源泉”の時点の効能であり、湯船の湯の効能ではないので、いくらでもごまかしが利くのです。
つまりその湯船を沸かした水道水で1000倍に薄めて、そこに源泉と同じ同じ成分・効能表示が貼って利用者を騙しても、現在の温泉法では違法行為とはされないのです。その為、療養効果を求めて温泉を選ぶときは自分自身の手でインターネット上の温泉情報を確認したり、温泉施設に直に電話で確認したりする必要があります。きちんとした温泉療養をしたい人は「源泉100％かけ流し」というキーワードを目安に本物の温泉を見極めてみてください。
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